失はれる物語レビュー
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失はれる物語
失はれる物語を購入された方のレビューです。表紙のカバーに傷がついていたのが残念でした。
表題作｢失はれる物語｣は
交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、
五感の全てを奪われたご主人に、
ピアニストの奥さんが腕を鍵盤に見立て、
日々の想いを演奏で伝えるという、
とてもショッキングで哀しい物語。
音も光も感覚もないご主人にとって、
自分の腕で奏でてくれる奥さんの 演奏 だけが、
日々の変化を感じる唯一の時間。
その夫婦の毎日の 会話 が、
ご主人と奥さんの心に段々と変化をもたらしてゆく・・。
哀しくて切ない・・でも何故か心の奥に響いてくる物語です。
「Calling You」/「失はれる物語」を読んで泣き、
「傷」/「しあわせは子猫のかたち」で感動し、
「手を握る泥棒の物語」では笑い、
「マリアの指」でゾクリとしました。
1冊の本でここまで人の感情を操る乙一さんの才筆は
さすがだと思います。ぜひ読んでください！
映画「君にしか聞こえない」を先に観てしまったせいか、「Calling You」のディティールの詰めの甘さに白けてしまい感動出来なかった。「失はれる物語」の方がシリアスな分、細部まできっちりと書かれている感じがして私は好きです。
他の方のレビューを見ていると、自分は読み方を間違えているのか？と考え込んでしまいますが・・・